2006年02月05日

「男系継承維持かつ女性天皇容認」はやはりありえない。

 なぜか。天皇制の瓦解につながるからだ。

 たとえば、愛子さんが天皇になる。誰かが愛子さんに独身でいなさい、と言えるのかというと言えない。であれば、普通に考えると愛子さんは結婚し子供を生む。しかし、女性天皇の子つまり女系天皇は天皇になれないのだから、愛子さんのお子さんは天皇にはなれない。
 では、誰が天皇か。それは旧宮家男系男子が皇室に復帰し、そして新皇族となった者の子が天皇ということだ。たしかに、この男系天皇はお父さんと違い生まれたときから皇族で、生まれたときから国民に見守られ育てられた。しかし、旧宮家とは何かというと、我々一般の国民から見れば、ただの人、一般人だ。旧宮家は純然たる一般人ではないと私も頭では思うが、心では一般人だと訴えている。失礼な話で不敬罪にでも問われるかもしれないが、旧宮家が皇籍に復帰するということはその辺の八百屋の息子が皇籍に入ることと同じだと思う国民は多いだろう。そんな一般人の子が天皇になるということが可能だろうか。いくら男系維持のためと言えど、一般人の子が天皇になれるだろうか。
 おそらく、こういうことになるというのは容易に想像できるだろう。つまり、国民から「一般人の子より愛子さんの子供を天皇にしよう」という声が上がる。これは当たり前だ。男系が明文化されたルールだろうが、伝統だろうが、現天皇の子が天皇になれなくて、一般人の子が天皇になる。どちらを尊敬できるか、どちらを崇められるか、必然だろう。たしかに、2000年という長い期間から見れば60年なんて大したことないが、しかし人間の寿命なんて80数年だ。ましてや、現在50代以下の人々から見れば旧皇族は旧皇族ではなく、一般人なのだ。天皇制は国民の連続する支持により支えられてきた。昔は、60年ぐらい皇籍の空白ができてもよかったかもしれない。現代とは圧倒的に生活が違う。現代は情報化社会だ。江戸時代の人々は皇族の顔なんて知らなかったし、誰が皇族かどうかもわかんなかったろう。一般人が天皇になると国民の支持が一世代二世代空白になる。その空白が何を意味するのかは、容易に想像できる。
 世の中では、これだけ皇位継承問題が話題になっているのに、女系天皇と女帝の違いがわからない人が多い。どだい国民的な議論なんて無理だということだ。だって興味ない者に議論しろと言うのか。これだけ話題になってるのに女系と女帝の違いもわからないような興味ない国民にこれ以上何を求めると言うのか。百歩譲って、国民的議論があっても、皇室典範に改正は国会議員が行う。国民は間接的にしか参加できない。自民党内でも民主党内でも意見が分かれているのだから、選挙で意思を反映するのも無理だ。今、皇位継承問題に興味ない者は、おそらく一生興味ない。今、あなたのまわりでネット以外で天皇制が議論されているか。されてないだろう。それが国民の現実だ。
 そんな国民が、天皇制は要らないといったらどうなるだろう。天皇制はなくなる。そんな国民が多いということを考えたら、一般人の子と愛子さんの子を比べるようなことはできない。今まで興味のなかった国民が、いざ一般人の子か愛子さんの子かどちらが天皇にふさわしいかというときに都合よく悪気もなく声を上げるのだ、「愛子天皇の子を天皇に」。そこでもし男系を維持しようとするなら、天皇制廃止論につながる。
 私は一般人の子を天皇だとは認めない。愛子さんの子がいれば、なおさらだ。
 愛子さんが天皇になることは容認でその子は天皇になれない、というのは天皇制の瓦解につながると思う。そう思えない人は、想像力のない人だろう。逆の意味で国民世論をなめてる。
 私は天皇制を維持したい。だから男系を維持するなら、愛子さんを天皇にしてはいけない。つまり、愛子天皇の後ではなく現在の皇太子の後を考えなければならない。旧宮家復帰などと予定するなら、議論にそんなに猶予はないということだ。そして、興味のない国民が大半の中、国民的議論なんて無理で、天皇制についてそこそこ勉強した人は、もう自分の意見を持っている。両者の溝なんて埋まらない。国民的な意見一致なんて無理だ。慎重に議論しようなんてしらじらしい。
 戦前も戦後も、天皇制は国民の支持によって成り立ってきた。もっともっと昔も民衆からの、また公家たちからの求心力があったから、つまり支持があったから天皇制は維持されてきた。信長も、GHQさえも天皇制は壊せなかった。国民的な支持、求心力があったからだ。天皇制というのは、国民の支持の歴史だ。国民の支持がなければ、伝統も歴史もへったくれもなく、天皇制は崩壊する。それこそが天皇制の歴史と伝統だ。
  
 これが、過去の10代8人の女帝の歴史だ。過去の女帝の歴史と、愛子天皇を同一視するのは大きな誤りで、今想定する愛子天皇のような先例はない。女帝には先例があるから、愛子天皇可というのは大きなまやかしの論法か、ただの知識がない者が言うことだ。女帝は独身・天皇の未亡人であったから、皇位の継承は揉めずにこられた。それが先人たちの知恵だ。だから男系継承の場合は、愛子天皇は否だ。愛子さんが天皇になった時点で、男系継承の道が絶えるか、天皇制そのものがなくなるかどちらかだ。
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33代    推古天皇    敏達天皇の元皇后
35・37代 皇極・斉明天皇 舒明天皇の元皇后 
41代    持統天皇    天武天皇の元皇后
43代    元明天皇    草壁皇子の未亡人(文武天皇への中継ぎ)
44代    元正天皇    独身 草壁皇子の子(聖武天皇への中継ぎ)
46・48代 孝謙・称徳天皇 独身 聖武天皇の子(天武=持統系最後の一人にして外戚が藤原氏)
109代   明正天皇    独身 後水尾天皇の子(外戚が徳川(源)氏)
117代   後桜町天皇   独身 桜町天皇の子(後桃園天皇への中継ぎ)
http://homepage2.nifty.com/nextgate/side_e_11.htm
===

 男系維持派の方にアドバイスしたい。
男系継承をするなら、愛子さんを天皇にしてはいけない。つまり夫子持ちの女帝を認めてはいけない。一度国民に愛子天皇を見せてしまうと、直系継承への思いが加熱し、もう消えなくなる。

 私はいつも言ってる、側室制度を訴えない男系維持は無責任だ。側室制度は訴えない人は遺伝子レベルで男女産み分けを訴えないと無責任だ。そうでなければ、男系継承維持なんて先送り論に過ぎない。将来の世代に、今と同じような苦しい議論をさせようと思う者の気が知れない。しかも、男系男子がいなくなるのは、そう遠い将来ではないだろう。我々の世代で結論を出すことが我々の世代に課せられた責任だ。その責任とは、女系容認、双系直系継承だ。

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posted by 総理大人 at 11:12| Comment(2) | TrackBack(2) | 最近の諸問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
愛子天皇が一般人と結婚するというのも高いハードルがある。
旧宮家に覚悟があるなら子供をたくさん産んで愛子様とお見合いさせる。男系も維持出来る。
案外これが一番現実的。
女系宮家を乱立させるのは旧宮家の皇籍復帰より非現実的。
Posted by 武悪堂 at 2006年02月05日 12:40
>愛子天皇が一般人と結婚するというのも高いハードルがある。
旧宮家に覚悟があるなら子供をたくさん産んで愛子様とお見合いさせる。男系も維持出来る。
案外これが一番現実的。

ここまでは、同意します。そうなればいいでしょう。案外現実的というのもうなずけます。秋篠宮家のお嬢さん方にもそうしてもらうのがいいでしょう。
ただ、そうならない場合もあるかもしれません。
いずれにしても、旧宮家の男系男子が皇籍復帰する意味はありません。
内親王が女系宮家作って、旧宮家の男系男子に婿入りしてもらえばいいでしょう。




Posted by 総理大人 at 2006年02月05日 14:22
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