2006年03月11日

参議院のあり方を考える

「参議院改革と二院制のあり方、そして地方分権の概要の概要」で意見交換をしている中で、「政党化」と「選挙に勝つための政治」という二つのキーワードの重みを再確認してきた。

上の記事の私の考えは「知事選立候補時に知事候補者が参議院議員候補も提示して選挙を行い、国民が知事と参議院議員を同時に直接選挙する」という「チーム○県」構想だった。

まず先に「選挙に勝つための政治」という視点を。
「選挙に勝つための政治」イコール世論に合わせるという思考は、多かれ少なかれどこの議員も同じだろう。国民と向き合う政治は悪くないが、国民に尻尾を振る政治はまずい。現状の議員先生方は、まあ後者が多いかもしれない、私はよく知らない。いずれにしても参議院にかぎるならば「良識の府」「短期世論に流されない長期視点の国益志向」という存在意義から照らしても、やはりふさわしくないと思うのだ。参議院議員は代議士と名乗ってない。
「選挙に勝つための政治」という点をクリアするためには「再選はありません」という参議院にする必要があるように思う。
再選がないのだから、あんまり人気者になっても仕方ないのであるし、世論に尻尾を振る必要もない。ただ誠実に国益だけを求めて、再選のことなんか何も心配しないでコソコソちょこまかせず政治活動に励んでもらいたいものである。
そこで、知事とセットで国民に直接選ばれる参議院議員という私の案では、参議院議員の任期はもちろん知事の任期とイコールでなければならない。ということは4年であるから、もちろん再選などという話も出てくる。
だから不適だと思う。「長いものには巻かれたくないが、良いものにはグルグル巻かれたい。」を座右の銘にしようと3秒前に決めた私である。持論なんて、論破されるためにある。
ただ、「地方の声を直接国政に」という理念はこれからの地方自治の時代に個人的に確保しておきたいところである。そこで登場してもらうのは、都道府県議会の議員だ。
1:知事選立候補時に知事候補者が参議院議員候補も提示して選挙を行う。
2:知事推薦の参議院議員候補を都道府県議会議員が任命。
という手はずを踏むことで、知事の任期とは関係なく、参議院議員を長期やってもらうことができるだろう。
1は法律に定めなくて、どうか慣習でやってもらいたいと思う。
それは知事VS議会という場面のことを想定した場合、知事は議会と折り合いをつけなくてはならないことがもしかしたらあるかもしれないからだ。
また、2の段階で参議院選出の採決に限っては、議会の議員定数の何%の票を、いわば透明議員投票を知事が行使できるということを法律で規定したい。でも、その場合には1も明文化できるだろうか。
それで知事推薦候補が参議院議員になれなければ、そもそも議会が正常に働く状態とは思えないので、解散でも何でもしてくれればいい。
結局、現在の私案と結果は変わらないように制度を設計するのだが、結果は同じでも過程が全然違う。
これによって「再選なし」「ロングな任期」という二つをクリアできると思う。よって「選挙に勝つための政治」という弊害をほとんどクリアできるものと考えて、また「短期世論に流されない長期視点の国益志向」という状態に参議院を少しでも近づけることに役立つだろう。
ありふれた制度だけど、ちょっとややこしめのことをするのは、『地方の「リーダー知事」の声を直接国政に』反映するためである。

「政党化」についてはクリアするのは難しいが、「衆議院とは違う政党化」という言い訳もあるし個人的にはそれでいいとも思ったり、政党の議員ではあるかもしれないけれども政党化はしないかもしれないし、また無所属議員という名の政党推薦候補でも政党化と言うのだろうかとか、でも言葉遊びじゃないのでできればクリアしたい課題だ。ただ一つ言い訳したいのは今提示した参議院議員には党議拘束なんてのはまったくなじまないし、この案で党議拘束をかけることができるなんて主張する人はいないだろう、ということだろうか。半クリアか。
政党化ということの直接の弊害と、党議拘束の弊害はある程度分けて考えられるだろう。新参議院議員に党議拘束はない。再選もない。
ただ参議院こそ二大政党化してしまう可能性も大きいと思う。

もう一つ、ひそかにコメント欄で書いていたのだが、政策分野別比例区案の活用も考えている。拘束名簿式で再選なし、地方代表議員と合わせるため党議拘束もなし。今回地方代表議員の任期の問題がクリアできたことで、二つを組み合わせて、より一層多様性のある「修正の院」「良識の府」を目指せるのではないかと思う。なかなか合体は難しいような気もするが。。
最後に、こういったことだから市町村議会選で都道府県議会選をまかなっちゃおうという案は再考の必要が大いにあると思う。ただこれは個人的に基礎自治体を重視したいので、一休さんみたいにチンって何か妙案が浮かばないだろうかと思っている。

各国の制度なども、やるやると言いながらまだ勉強できていないので、それも取り入れられるものがあれば取り入れたい。

私は道州制には反対というほど反対ではないけれど、そもそも必要ないと思う。パイは都道府県でも十分なところが多いと思うし、必要なら県合併をやってもらえばいい。政策ごとに広域連合してもらってもいい。
ドイツやアメリカ並みにやるのなら、道州制もいいと思うが、それはそれで目本にはなじまないと思う。考えられないってだけかもしれないが。
そんなことよりも基礎自治体のパイを大きくすることに今以上に尽力してもらいたいし、アメなんかやらなくても自ら基礎自治体が動くぐらいでないと、地方自治なんて絵に描いた飴のまんまで、つまり地方の準備と覚悟が足りないように思う。


「長いものには巻かれたくないが、良いものにはグルグル巻かれたい。」ので、まだまだ案を変えると思います。まだまだ取り入れたい考え方も残っている。今回は選出方法に絞って書いたし。また気が向かれたらご意見いただきたい。

一粒さんには引き続きこっちで意見交換を続けさせていただきたいと思います。


posted by 総理大人 at 17:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 参議院と二院制のあり方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
地方の声を届けることと長い任期という二点が両立するのかという疑問は若干残りますが、なかなかよく工夫されたなという感じは受けます。政策分野別比例区案には賛成できないですが…。それをやると、結局役人の名誉職みたいになっちゃいそうだから。
参議院の権限についてはどうお考えなのかについても具体的なご意見を書いてくださるものと期待しています!再考の府、良識の府を強調されている点から推測すると、英国の貴族院みたいに下院の議決を一定期間遅らせる程度の権限かとは想像していますが。
なお、参考までに書いておきますと、貴案に一番コンセプトが近いと思われるドイツ連邦参議院は、連邦政府の権限を強化して連邦参議院の権限は大きく縮小する方向で憲法(基本法)改正を行う予定です。
Posted by 猫研究員。 at 2006年03月12日 01:24
>地方の声を届けることと長い任期という二点が両立

あらら、そうだ。意見交換の中でピカン!と浮かんだ案だったのですが。
基本は知事の声を届けたいわけです私。困った。
でも「再選なし」というか「選挙に追われない政治家」とキーワードも大事にしたい。
かといって推薦はどうだろうか。あっちで意見交換させてもらっている一粒さんの具体案を楽しみに待ってます。

参議院が天下り先になると困るというのも、それはそうですね。
ただ官僚の方ってやっぱり優秀だと思うんで、在野にあるのはもったいないと思って新参議院議員にも出張ってほしい。官僚体質の改善策を別途考えられたらクリアできるんですが。新憲法が公布される頃には自然に襟を正してくれてないだろうか楽観論。
非拘束名簿式は結局人気投票のようで排除だし、じゃ非圧力団体の推薦候補拘束名簿式政策分野別比例区はどうか、でもこれも非圧力団体とは?という命題に戻る。
地方代表院をメインに専門院監視院的性格ってドンドン欲張るんですよね。まとめて再考の府という形。
「国家」「国交」も学んだし、頭パンクしそうですが、世界一エレガントな選出方法を模索。笑

英国は、二会期だかの連続可決でクリアでしたか。また調べます。
師匠もブログで示されていた再議決は一定期間置くというのは考えています。
あとはやっぱり条約は衆院でってのはまだ変わっていなくて、会計検査院のこと「決算を予算に反映」を具体化したいとは思っとります。いつになるかわかりませんし、決算を予算に反映って要はイランコトしたとこには予算削るって方法しか思い浮かばないので、それじゃどうも…。

ドイツも憲法改正ですか。最近出た話なんでしょうか。
前ちょっと見たときものすごい権限でかい参議院だなって思ったんです。
最近新聞まったく読めてないんですよね。読んでないのに出しゃばっとるわけです。

それはそうと、頭に浮かんだことドンドン書くから長くなるんだってことに気がつきました。笑

やっぱり各国の議会を「大いに」気にはかけてるんですけど、「激しく」億劫で。勉強しないと。
アクションアンドリアクションの調子で、せっかくだから憲法改正が本格審議されるちょっと前の頃には完成する感じでやれれば。

また為になるご意見・情報ありがとうございました。
Posted by 総理大人 at 2006年03月12日 15:49
>でも「再選なし」というか「選挙に追われない政治家」とキーワードも大事にしたい。

それだったら、推薦制も考えたほうがいいかも。地方自治体と連動というのはそのままにして、政策分野別比例区案の代わりに推薦制を入れたらどうかなと…。誰が推薦するかという問題は大きいですけどね。比例代表って必然的に政党化に結びつきますよ。
私だったら、地方自治体の長と地方議員による間接選挙と推薦制をあわせたものにします。推薦者は、とりあえず衆議院と内閣としておきましょうか。地方代表という性格が薄まっちゃいますが…。

>ドイツも憲法改正ですか。最近出た話なんでしょうか。

これはごく最近出てきた話ですよ。立法の迅速化を目指すそうな…。なお、政治学的には、ドイツの連邦参議院は立法府とは分類されていなくて、ドイツは事実上一院制という見解も有力です。
Posted by 猫研究員。 at 2006年03月13日 22:21
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